日本ベトナム友好協会大阪府連合会/サパ物語6

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 サパには少数民族がたくさん住んでいる。タイー族・モン族・ザオ族・ザイ族・サホー族の5民族。モン族では黒モンと少しの花モンがいる。ザオ族では赤ザオと黒ザオが少し。ザオ族はマン族と自分自身を呼んでいるそうであるが、ここでは、一般に言われているザオ族を使うことにする。(南部のなまりで、英文ではヤオ族となっているものもある。)モン族は、中国にいるミャオ族(苗族)と同じだが、それがベトナムに来てなまってメオ族といわれたが、メオはベトナムでは猫になってしまうので、公式にモン族ということになった。
 
 サパの人口では、黒モン族が一番多い。次が赤ザオ族、次に多いのがタイー族、ザイ族、少数派はサホー族である。
 カットカットにシンチャイはモン族の村。タバーンはモン族、ザイ族、サホー族がいる。バンホーには、タイー族、モン族、ザオ族、サホー族がいる。また、ターフィンはザオ族の村である。
 
 その昔、この地方には、中国からタイー族が真っ先にやってきた。ライチャウ省などに多くいるターイ族とは少し違う民族である。中国語で書いた先祖のお守り等を大事に持っている。次にやってきたのが、ザオ族やモン族。タイー族の河川敷の集落から山に上がったところに住み着くことになった。だからかどうか、タイー族のほうが少し、ランクが上のようである。その点、マンとモンとは上手くやっているらしい。長い間争いごともなくすみ分けている。でも、両族間で婚姻が成立することは、なかったそうです。
サパ周辺で、近年に2組のモン族とザオ族のカップルが誕生したと言うことで話題になった。一度会ってみたいものだ。モンもザオも、その他の族(例えば、日本人やフランス人や・・)との婚姻はあった。
 

ハニ族の娘さん.JPG
DSCN2209.JPG

黒モン族

 サパにもっとも多く住む少数民族は黒モン族である。サパ郡では多数民族ですね。彼らは、平屋の木の家に住む。家の中は土間で、寝るところだけがベットを置いている。ベットは、囲炉裏の横にあって、寝るときに暖を取れるようになっている。家の真ん中は、居間で、先祖を祭る祭壇がおいてある。最も奥のほうが、炊事場と物置である。大体3つの部屋に分かれている。ザオ族の家も同じつくりのようだが、ザオ族の家に比べて、モン族の家は少し小さい。

 モン族は、核家族である。子どものときには両親と一緒に住んでいるが、結婚すると家を出て行って、夫婦で別の家を建てる。豚や鶏を飼う小屋は家と別棟にして入る。また、水牛はさらに別の棟を作る。トイレは、家の中にはなくて、家の外に少し囲っただけのトイレがある。トイレの小屋を作っている家は、少し豊かなのかな。

 子どもは、最近は2人とか3人とかも出てきているが、やはり5-8人と言うのが一般的だ。男の家系で、娘は嫁いでゆく。長男から順番に、家を出ては新婚夫婦の家が出来て行く。最後に残った男が結婚するときには、長男の家族が戻ってきて、長男の住んでいた家を末がもらうのだそうだ。

 モン族の生産は、米作りである。シオミティーのモン族は、盆地の川と同じ高さの土地が田んぼ、家は、少し斜面を上がったところにある。カットカットやシンチャイのモン族は、川は、谷の下にあるので、川から大分上のほうまで、棚田が続いている。その景色がすごくきれいなので、観光客に人気だ。水は、川から引けないので、山から水路や樋を使って流すようにうまく工夫されている。集落は一塊づつ、点々としている。高さは1300-400mくらいまでに家がある。畑の方は、2000-2300mの高さくらいまで生姜畑がある。野菜は家の周りに作るし、藍も家のすぐそばに栽培する。野菜や藍は、家畜たちに荒らされないように、囲ってある。

 ふだんは、モン族は、肉を食べない。たんぱく質はとうもろこしや豆腐でとる。米と野菜で食事を取る。一ヶ月に1-2回は、鳥を食べたり、肉をたべるという。彼らが太らないわけだ。ポーターを頼んで一緒に食事をすると、彼らは、豚の脂身を好んで食べる。脂肪や動物蛋白は、ふだん食べたいけれども食べることが出来ないのが実情なのだろう。
 モン族は、祝いのときなどに歌を歌ったり、楽器を演じる。その楽器は、ケンという竹の笛と胡弓である。ザオ族はチャルメラと日本で呼んでいるオーボエ(リードが2枚の吹く楽器)なので、大きな違いがある。
 

黒モン族その2

 黒モン族は、稲作を中心に農業が盛んである。しかし、黒モン族の特徴はなんと言っても、山で育てるショウガであろう。日本でショウガと言うと根を食べるものを思い浮かべるので、日本語として適切な名前ではないかもしれないが、葉っぱや根はショウガである。そして、このショウガはすごく大きい。山に自生しているものは小さいのだが、彼らは、家族総出で手入れをして育てる。背丈よりも大きな草(木ではない)となる。

 このショウガは、花が咲き、実をつけて、その実を収穫する。実は、乾燥させて、中国へ輸出する。と言うよりは、バイヤーに売ると、それは中国に持っていかれる。中国では、粉にして、漢方薬(風邪薬)として販売されることになる。それは、主に、パキスタンやインドなどに中国産の漢方薬として売られているらしい。

 ところで、このショウガの畑なのだが、水が大切で、山の中のいつも湿っているような谷沿いの斜面が畑になる。いたるところ、谷間にはショウガがあることになる。良い谷間を先に見つけたものが、「ここは自分のものだよ」とマークをつけている。何人かで見つけたときには、共同で区割りをして、手入れのための小屋まで共同で作って寝泊りする。主として、山での畑作業は男の作業だが、下草刈りの時などは、家族総出となる。大きな鎌で、ザックザックと作業している。

 家は、大体1000mくらいから1500mくらいまでで、稲作に便利なところまでしか建たないが、山の畑は、高度で2000mから2300mくらいまで畑が出来ている。毎日のように、山を行ったりきたりするのである。だから、足腰が強くて、ポーターが出来るのだ。

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