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2003年頃に、ホアンリエン国立公園が出来た。森林保全と旅行管理を目的とした、公園管理が進んでいる。ファンシーパン山は、この公園内にある。ファンシーパンを含むこの山脈に、ホアンリエン山脈と名前が付いている。
5年ほど前に、ライチャウ省側から山火事が起こり、シンチャイ村へ延焼が入り込むところで、延焼は止まった。今も、あたりに焼けた木の後が残っている。焼けたことによる被害は大きいが、その後の取り組みが良い。サパ峠から、ファンシーパンへの新しい道が開発された。昔から、一部登山道の使用はあったのだが、険しくまた、整備が整っていなかった。そこに、2004年になって立派な登山道が出来上がった。切り立った尾根道には、手すりが付けられた。コンクリートの手すりには竹の姿の模様を付けてある。今は、多くの登山者がこのルートでファンシーパンを登山するようになった。
登山道の入り口には、支援のお金で作られた、管理小屋がある。公安官が登山に入る外国人を管理している。山に入るためには、サパで手続きをして、1人1日5万ドンの費用を支払わなければならない。また、山道の半ばに、ステーション(山小屋)が作られて、無料で使用させてもらえる。ステーションには、「森林保全と旅行管理ステーション」と看板がかけられて、モン族がその山小屋の前にサービス小屋を立てて、清掃などの仕事をしてくれている。この山小屋に関しては、いろいろと問題もありそうであるが、ここでは省略しておく。入り口から山小屋まで3時間、山小屋から頂上まで4時間の行程である。元気な若者ならば、宿泊なしで、往復が可能なようで、行ってきたという若者にも出会った。
また、ルートになっているところでは、焼けたあと、モン族のジンジャー畑の使用がやめさせられて、元の山林への再生が進んでいる。再生の方法にも問題があるようである。2-3年で付近の木から落ちた実が、自然に大きくなり、早いところではすでに木が大きくなってきている。保護管理が進んでいるというよりは、自然の力が勝っているというところ。
ここでは、04年に峠付近で、密輸品の検閲が行われて、中国へ運ばれる大量の猿が没収された。ところが、管理官はその猿を、峠付近で放してしまったという。食料のない猿達は、少数民族の畑に出没し荒らしまわったので、彼らは大変困って、公園内で禁止されていることをしてしまった。すなわち猿を撃ち殺した。それでも、猿は40匹くらいが群を作って、移動しているという。もともといる猿は、寒さに強くて、数も調整されていたのだが、突然の増加は、自然適応が出来なかったというところ。
国立公園の管理は日本でも難しい。日ごろから、その山に暮らしている人たちの言うことに対して、環境省がなかなか耳を貸さないからだ。同じことがベトナムでも起こっているようだ。
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