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ファンシーパンの登山道は、大きく分けて、3ルートがある。カットカットルート、シンチャイルート、峠ルートと名付けることにする。
最も古くからあるシンチャイルートは、シンチャイ村からファンシーパンに直登するルートである。シンチャイ村の高さは約1300m、そこからいくつかの尾根を越えて、ファンシーパンの直下に至り、まっすぐ40度くらいの傾斜地を直登する。その落差は約1000m。モン族は3時間で登るという。降りたことがあるだけであるが、経験のある登山者で3時間半から4時間かかると思われる。ルート全体では、シンチャイ村発頂上まで7時間。このコースは、岩場があり、残置ロープを使って登る。いわゆる岩屋の山ではないが、木の根っこに引っかかると、そのまま何百mも落ちかねない危険を伴うコースである。日本の山で言うと上級コースである。このコースは、ほとんどファンシーパンを見ないで登山することになる。
第2のコースは、カットカット村を出発する。カットカット村のモン族の生活圏を丸一日かけて登ってゆく。振り返ると、サパの町が見えている。尾根に取り付くときに急斜面が登場するが、経験のない人でも登山が可能である。「支尾根の鼻」と名づけたところは、断崖の上にあり、見晴らしが良い。カットカット村から見える岩が、すぐ目の前にあり。サパの町が一望できる。支尾根を2900mのピークにむけて登ると、一旦北側へ下降する。下降の時に、ファンシーパンが目の前に見えることになる。下降の道はそのまま、西へ曲がってゆき、200mほど下降してから、トラバースすること2時間で、ファンシーパンの南西に宿泊することになる。そこは、天然の宿営地で、リスや鳥が一杯いる。通常3日目に、ファンシーパンの頂上を目指すが、その間、よく山が見えて、るんるん気分になる。もっとも気に入っているコースである。カットカットから歩行時間約20時間で頂上に至る。
第3のコースは、峠ルートである。サパからライチャウに向かう峠にサパ峠と名前が付けられた。その峠からもファンシーパンが良く見える。数年前の山火事で、尾根沿いの道が焼けて、見晴らしが良くなっている。コースはその後にリニューアルされた。散策コースのような道を3時間ほどいくと、山小屋につく。山小屋から4時間で山頂に至る。通常、2泊するとゆっくり登山が楽しめる。忙しい人は、1泊で帰ってこれる。元気な若者が、夜明け前からサパを出発して、一日で帰ってきたという。余り簡単?なので、都会育ちの若者が、ほとんど装備もなしにきて、寒くて夜寝られず、山頂への道でリタイヤして引き返すのに遭遇した。やはり、山なのできちんと装備を持って登山すべきである。
公園管理者は、第3コースしか認めないので、第1・第2のコースは、公式には登れなくなった。
また、現在のサパ峠は、新しく出来た車の通る国道沿いにあるが、そのサパ峠からすこし下った、小川沿いに昔のサパ峠がある。また、よくあたりを観察すると、古い道が川に沿って残っている。それは、サパ古道とでも言うのでしょうか、昔サパからビンルーへ歩いて超えた交易の道である。馬を引いた中国人やモン族ザオ族ザイ族タイ族たちがそれぞれの民族衣装を身に着けて行き交っている状況を思い浮かべるのは楽しいことである。
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